クリーンライフ協会、および日本クリーニング環境保全センター(共に代表は全ク連・小池広昭会長)は、7月10日(金)に主婦会館プラザエフ(東京都千代田区)で令和2年度総会を開催しました。なお、当日の総会では感染症予防のため、参加者のマスク着用や会場の換気、座席の距離を取るなどの対策を取りました。
総会では両団体とも全議案が承認され、これにより、クリーンライフ協会の発展的解消および一般社団法人化、並びに日本クリーニング環境保全センターの一般社団法人クリーンライフ協会への機能移管が決定しました。

クリーンライフ協会は昭和59年、日本クリーニング環境保全センターは昭和47年(当時の名称は日本クリーニング公害予防センター、その後平成3年に現在の団体名に改称)に設立した業界団体です。両団体はクリーニングに関連する団体や企業が参画し、クリーンライフ協会では需要拡大や人材確保、クリーニング師資格等のクリーニング業界の将来や制度にかかる課題、日本クリーニング環境保全センターではクリーニングに係る環境問題を中心に、課題解決に取り組むことを目的としています。
ただ、近年は需要拡大や人手不足、ICTの普及、水・土壌・廃棄物など各種の環境問題への対応といったクリーニング業界の課題以外にも、レジ袋削減などの環境保全対策やSDGs、働き方改革、高齢化社会への対応、感染症流行によって顕在化した公衆衛生向上への対応など、社会的な課題が山積しており、業界全体で協力してより迅速に活動を進めていくことが求められていました。

これを受けて、クリーンライフ協会は昨年度より一般社団法人化にむけた具体的な協議を行い、令和2年度の第37回定例総会をもって発展的解消を行うとともに、同日に一般社団法人クリーンライフ協会の設立総会を行うこととしました。
また、これに併せて日本クリーニング環境保全センターについても令和2年度の第49回通常総会をもって一般社団法人クリーンライフ協会に機能移管を行い、名称は残したまま環境保全対策部会として存続することとなりました。

当日の開会式では小池会長が挨拶に立ち、新型コロナウイルスが流行し波乱の時代を乗り越えなくてはならないタイミングで両団体の統合と一般社団法人化に進むこととなったことから、様々な困難に打ち勝つための一歩進んだ団体に変えていきたいと、今後の姿勢を表明しました。
加えて厚生労働省 医薬・生活衛生局 生活衛生課の藤田一郎課長が、これまでのクリーンライフ協会および日本クリーニング環境保全センターの活動に対する感謝と、これから一般社団法人クリーンライフ協会が衛生水準の向上や国民生活の発展に大きく貢献することへの期待の言葉を述べました。
その後は、両団体の総会に引き続き一般社団法人クリーンライフ協会の設立総会を開催し、組織概要や定款案、設立時役員などの全議案が承認されました。

この度の両団体の統合によって課題解決の窓口が一本化され、より効率的に対応できるようになります。加えて、一般社団法人になったことで社会的信頼性が向上して行政等に対してより直接的なアプローチを行えるようになるほか、外国人技能実習制度の試験実施機関としての参加要件を満たすことになるなど、活動の幅が広がります。
なお、一般社団法人クリーンライフ協会は、令和2年7月15日(水)に登記が完了し、団体として活動を開始しています。弊会は、従来のクリーンライフ協会の事業を受け継ぐ「クリーンライフ事業」と日本クリーニング環境保全センターの事業を受け継ぐ「環境保全対策部会(名称は、日本クリーニング環境保全センターを引き継ぐ)」、外国人技能実習制度への対応を担う「技能実習試験事業」の3つからなり、今後は会員の誘致とともに、それぞれの事業を並行して進めてまいります。

 

 

設立時役員(敬称略)
会 長 小池 広昭 全国クリーニング生活衛生同業組合連合会 会長
副会長 五十嵐素一 株式会社白洋舍 代表取締役会長
副会長 高木 健志 全国クリーニング協議会 会長
監 事 秋澤 尚通 一般財団法人全国中小企業共済財団 専務理事
設立時社員
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会
株式会社白洋舍

 

一般社団法人クリーンライフ協会 令和2年度事業計画(抜粋)

  1. 需要拡大/消費者啓発(PR)/事故防止対策事業
    令和元年度に引き続き需要拡大検討委員会を設置し、消費者啓発に関する啓発ツール(データ)を作成するほか、衣替えに関する消費者啓発活動や学校教育におけるクリーニング知識啓発活動などを行う。
  2. 業界環境/経営環境改善対策事業
    令和元年度に業界のコンセンサスを得て取りまとめられた「クリーニング師のあるべき姿の提言」を踏まえクリーニング師資格制度のあるべき姿について、必要な制度改正・法律改正の実現に向けて全面的にその活動を支援する。
    加えて、新型コロナウイルス対策の推進やキャッシュレス化への対応、長期間放置品解消にむけた取組みを推進する。
    また、令和元年度に引き続き雇用環境改善検討委員会を設置して雇用・労働環境改善策について検討、必要な啓発活動を行う。
    この他、インターネットや宅配業者を利用した受注・集配形態、ロッカーを使用した非対面型受渡し方法、さらにはコインランドリー施設における衛生措置等のあるべき姿などについて、行政や専門家を中心とした関係機関と協議し、必要な利用者擁護策推進への協力を行う。
  3. 業界活性化推進事業
    令和2年12月17日(木)~19日(土)に東京ビッグサイトで開催する予定のクリーニング産業総合展2020に協賛・協力する。この他、業界内イベント等への協賛などを行う。
  4. 組織基盤の拡充に関する事業
    会員の新規獲得に努めるとともに、ホームページの拡充を図り、会員により有益で迅速な情報提供に努める。

環境保全対策部会(日本クリーニング環境保全センター)
令和2年度事業計画(抜粋)

  1. 土壌汚染対策の啓発活動
    テトラクロロエチレンの使用履歴があるクリーニング事業者に対して、土壌汚染対策法に基づいた対応の啓発活動を展開する。
  2. プラスチック資源循環戦略についての情報収集と対応の検討
    令和2年7月より施行されたレジ袋有料化をはじめとするプラスチック削減・資源循環対策に関連する情報を収集するとともに、クリーニング業界が対応するための施策について検討を行う。
  3. グリーン購入法判断基準と配慮事項の啓発活動
  4. 廃棄物対策
    使用済み石油系溶剤カートリッジをはじめとするあらゆる廃棄物を適正に循環利用、もしくは適切に処分することを徹底する。
  5. 保全対策の普及・啓発活動
    ①テトラクロロエチレンやソルカン等の地下浸透防止対策の啓発活動の推進
    ②テトラクロロエチレンを扱う事業所における労働衛生管理の啓発活動の推進
    ③大気汚染防止法に伴うVOC排出抑制の周知・啓発
    ④PRTR制度の啓発活動の推進
    ⑤その他、環境保全活動の普及・促進
  6. 関係省庁等との連携強化
  7. 調査・研究業務及び情報収集
    環境保全対策に係る情報の収集に努める。