2021年6月に公布された「プラスチック資源循環促進法」について、政府は8月23日(月)に同法に基づく新制度の具体案として、削減すべき特定プラスチック製品12品目と企業に求める対策を公表しました。
この特定プラスチック製品に、クリーニングのプラスチックハンガーおよびポリ包装(ガーメント)が含まれました。また、クリーニング事業者はプラスチック製品の「提供事業者」に該当します。

このプラスチック資源削減にむけた動きの中、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会より「クリーニング業界におけるポリ包装の取扱いに係る過去の経緯をまとめた資料」をご提供いただきました。
あわせて、同法の概要と2022年4月の施行にむけた今後の流れを掲載いたします。

また、一般社団法人クリーンライフ協会では今年度、環境保全対策部会でポリ包装抑制分科会を立ち上げており、ポリ包装等の資材使用削減を検討いたします。また、分科会の協議内容は、2022年2月3日(木)~5日(土)に東京ビッグサイトで行われる「クリーニング産業総合展2022」でも発表を行う予定としております。

〈資料〉クリーニング事業者が提供するポリ包装資材等の削減に係るこれまでの経緯
(提供:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会)

クリーニング産業総合展2022 クリーンライフビジョン21 in Tokyo 公式ホームページ

プラスチック資源循環促進法の概要

近年の海洋プラスチックごみ問題や諸外国の廃棄物輸出入規制を契機とした国際的な関心の高まりを受け、日本ではG20大阪サミットに先立ち令和元年5月に「プラスチック資源循環戦略」が策定されており、2021年7月からはリデュースの一環として「レジ袋有料化」がスタートしています。

プラスチック資源循環促進法はこれらの動きを受け策定され、プラスチック廃棄物の削減やリサイクルの取組み(3R+Renewable)を強化するものとなっています。
プラスチック製品の製造事業者、消費者への提供事業者、排出事業者が取り組むべき基準等については、2022年4月1日の施行日までに政令・省令で定められる予定となっており、削減の取組みが不十分な場合は事業者への勧告や社名の公表ができるとされています。

削減対象には、クリーニングのプラスチックハンガーおよびポリ包装(ガーメント)が含まれ、クリーニング事業者は特定プラスチック製品の「提供事業者」にあたります。

クリーニング店では削減目標に従い、①有料化、②利用者への受取りの意思確認、③提供を断った利用者へのポイント還元、④回収後の再利用、等の何らかの取組みを実施することが義務付けられますが、詳細は今後、所管の厚生労働省をはじめ経済産業省、環境省とで策定します。

なお、クリーニング事業者の中でも取組みが不十分な場合の勧告・公表・命令対象となるのは多量提供事業者提供量が年間5トン以上となる予定です。

施行にむけた今後の流れ

クリーニング業界においては、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(以下、全ク連)が中心となって法制化準備の段階から関係省庁と折衝を行い、過去に全ク連が検討してきたポリ包装資材削減のための検証(自主回収/油化によるボイラー燃料化)の経緯や、業界の現状等について情報提供してきました。

また、今後は一般社団法人クリーンライフ協会が立ち上げたポリ包装抑制分科会で、メーカーへのヒアリングやクリーニング業界の対応方針を取りまとめるための協議を行い、その策定内容を元に厚生労働省と調整を進めていき、適宜中間発表等を行ってまいります。

加えて、この新制度案に対しパブリック・コメントの実施が予定されています。