クリーンライフ協会、および日本クリーニング環境保全センター(ともに代表は全ク連・小池広昭会長)は平成29年度総会を5月18日(木)に全国クリーニング会館で開催し、46名が参加しました。

両団体は、クリーニングに関連する各組織や企業が横断的に協力し、業界に係る課題解決に取り組むことを目的としています。

開会の挨拶で小池会長は若年層の衛生志向の上昇を例に挙げ、清潔への意識が高い世代に向けて着用した衣類には見えない汚れが付着することを周知しクリーニングの利用を促進させる啓発活動を行うなど、需要拡大の方策を検討し、業界が協力して取り組んでいくことを述べました。

来賓挨拶では、厚生労働省 医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部 生活衛生課・榊原毅課長がクリーニングを通じた衛生水準の向上やクリーンライフみのりの箱募金などの業界の活動に御礼を述べたのち、環境問題の対応やクリーニング需要の変化、JIS L 0001による取扱い表示等の社会の変化に対して業界が消費者の視点に立った対応を行うことをお願いしました。

続く記念講演は榊原課長が「クリーニング業を含む生活衛生関係営業に係る生産性向上・給与改善・社会保障の適用について」をテーマに、企業の生産性向上や給与を含めた従業員の待遇改善の事例、および助成金の活用方法等を紹介しました。
加えて、企業の厚生年金保険・健康保険適用促進に向けた取組み状況を解説しました。

また、クリーニング業に関する税制「公害防止用設備に係る特例措置」が2年延長されたことから、テトラクロロエチレンを使用するドライクリーニング機の活性炭吸着式回収装置の設置促進に協力をお願いしました。

総会では両団体とも提出した全議案が慎重審議の上可決され、平成29年度事業が本格的に始動しました。
今年度は長期間放置品解消に向けた取組みや土壌汚染対策などを推進していきます。事業計画の概要は次のとおりです。

クリーンライフ協会 第34回定例総会

平成29年度は、長期間放置品解消の推進やJIS L 0001による取扱い表示への対応に伴うクリーニング業界への周知等に取り組みます。
また取扱い表示への対応に関連して、同総会の場において一般社団法人日本産業機械工業会 業務用洗濯機部会から新JIS取扱い表示の洗浄条件に合わせた機械調整について、クリーニング事業者からの問合せに応じて対応することが発表されました。

1.業界環境改善対策事業

長期間引き取りがなく放置されたままのクリーニング品「長期間放置品」について関係する省庁や団体と連携しながら解決策の構築を図るとともに、消費者に向けて必要な啓発活動を展開します。

加えて取扱い表示への対応として、ドライクリーニング機およびランドリーワッシャーをウエットクリーニングに利用する場合の洗浄プログラムの調整について各機械メーカーに積極的に関与していただくよう要請します。

この他、労働環境の改善に係る対応や各種環境問題への対応等に取り組みます。

2.業界活性化事業

CLV クリーニングフェストOSAKA 2018や第9回全国クリーニング大会in大阪、業界内の各種イベントへの協賛、協力を行います。

また、海外クリーニング展示会へ担当者を派遣し情報収集を行います。特に9月27日(水)~29日(金)に中国・上海で開催されるtexcare ASIAでは、その前日の9月26日(火)に同展示会が主催し、フィリピン、マカオ、シンガポール、マレーシア、台湾、香港、日本が参加を予定している国際会議「Laundry Association Summit in Asia」が催されることから、主要メンバーが参加します。

3.需要拡大/消費者啓発事業

衣替えやクリーニングの日の普及・啓発を行う。

4.組織基盤の拡充に関する事業

 

日本クリーニング環境保全センター 第46回通常総会

平成29年度は、クリーニング業におけるテトラクロロエチレン溶剤を使用する有害物質使用特定施設の土壌汚染対策問題など、各種環境保全対策に取り組みます。

1.土壌汚染対策委員会の設置

クリーニング工場の閉鎖、廃業などを契機として顕在化する土壌汚染問題に対して同会員を委員とした土壌汚染対策委員会を設置し、実態の把握や調査を基に対策を提案・実施することを目指します。

2.クリーニング業における安全・安心対策の啓発活動

クリーニング業界に求められる安全・安心対策の一環として、環境保全対策の啓発活動を展開します。

3.グリーン購入法判断基準と配慮事項の啓発活動

4.廃棄物対策

使用済み石油系溶剤カートリッジをはじめとするあらゆる廃棄物を適正に循環利用、もしくは適正に処分することを徹底していきます。

5.環境保全対策の普及・啓発活動

水質汚濁防止法や大気汚染防止法などの各種環境保全対策への対応、テトラクロロエチレンを扱う事業所における労働衛生管理などの啓発活動を推進します。

6.関係省庁等との連携強化

7.調査・研究業務及び情報収集

環境保全対策の動向、法令等に関する情報収集および資料の収集に努めます。